軽自動車が面白い!ここまで来た「eKクロス」の上質感と充実装備

CRC(コンシュマーズリサーチ)マガジンの新企画、NEW VEHICLE LABO(通称、ビクラボ)を立ち上げました。注目される新型車の魅力をCRC独自の視点で、市場動向を始め商品概要を昼間の状態だけでなく夜間の状態も含め、写真はもとより具体的な使用を行った状況を動画で伝えるという、今までにない方法で多面的に徹底研究し、読者の皆様にクルマの魅力をもっと伝えたいと思っています。
第一弾は、三菱 eKクロスです。
三菱eKクロス外観

eKクロスの試乗インプレッションの前に、
軽自動車の市場動向を分析し、何故この様な商品が生まれたのか、考察したいと思います。それを踏まえインプレッションを次回お届けします。商品が企画された市場背景や狙いを知りクルマに触れることで、クルマがもっと愉しくなることでしょう。

注)記載されてます内容は、あくまでCRC独自の調査や視点による推測で、メーカーに取材して得たものではありませんので、ご承知おき下さい。

1、軽乗用車の市場動向

軽乗用車の保有台数は、2019年3月末時点で2,232万台(全乗用車の36%を占める)となり、登録乗用車が頭打ちに対し、増加傾向にあります。

登録乗用車と軽乗用車の保有台数推移

販売台数は、登録乗用車が減少している中で、軽乗用車は比較的留まっている状況です。

登録乗用車と軽乗用車の販売台数推移

以前軽乗用車はセカンドカーとして経済面(価格が安い、維持費が安い等)で購入されていましたが、年々使用面(運転がしやすい、荷物の積み下ろしがしやすい等)で購入されるようになり、軽乗用車がファーストカーに成りつつあります。

軽乗用車の選択理由

軽乗用車の併有状況

車両価格は年々上昇傾向にあります。ファーストカーでしたら、多少高くても良いクルマが欲しいと言ったユーザー心理でしょうか。やはり質感があって、装備も充実していて欲しいですし、特に安全装備は登録乗用車並みに付いていて欲しいものです。

2年以内に軽乗用車を新車購入した人の車両価格

一言で軽乗用車と言っても、様々な種類がありますが、大別すると以下の通りとなります。

<軽乗用車の分類(ボディタイプ>
1、スーパーハイトワゴン
 ・全高が1700mm以上ある為、背が高く室内も広い。後席のドアはスライド式。
 ・主な車種はN-BOX、タント、スペーシア、eKスペースなど。
 ・フロントデザイン変更中心とした差別化により、標準車と特徴車(カスタム)の展開がある。
ek space

2、ハイトワゴン
 ・全高が1600mm超ありスーパーハイトワゴンよりは背が低いものの、十分な室内広さがある。後席ドアは普通のヒンジタイプ。
 ・主な車種はワゴンR、ムーヴ、デイズ、eKワゴンなど。
 ・スーパーハイトワゴンと同様に、標準車と特徴車の展開がある。
ek wagon

3、セダン
 ・全高が1500mm程度で小さく、価格も安い。
 ・主な車種はアルト、ミライースなど。

4、SUV
 ・ジムニーやかつてのパジェロミニの様に、2ドアタイプのFrベース4WDで、大径タイヤを装着し悪路走破性が高いタイプとハイトワゴンをベースにSUVテイストを付加したCUV(クロスオーバーヴィークル)タイプがある。

販売台数は、軽乗用車全体が頭打ちの中で、スーパーハイトワゴンは年々増加傾向にあり、現在の主流となっています。一方ハイトワゴンは、大幅に減少となりました。

軽乗用車のタイプ別販売台数推移

軽乗用車の市場動向 まとめ

・軽乗用車は、日本の乗用車保有台数の36%を占め、販売台数も堅調に推移。
・軽乗用車の位置付けは、セカンドカーからファーストカーに変りつつあり、車両価格も上昇傾向。
・ボディタイプの主流は、ハイトワゴンからより室内空間が広く、後席ドアがスライドタイプのスーパーハイトワゴンに変化。

2、eKクロスの狙い

eKクロスは全高1640mm(2WD)、後席ドアはヒンジ式で、ハイトワゴンに分類されます。ハイトワゴンは、先程ご説明しましたが、標準車と特徴車(カスタム)の展開があり、eKクロスは特徴車に相当します。すなわちeKシリーズの中で、前モデルの特徴車であったエアロ系のeKカスタムが、SUVテイストと上質感をもったクロスオーバー系のeKクロスに置き換わった訳です。

特徴車、標準者の全モデルと今回モデルの比較

ワゴンR スティングレー、ムーヴ カスタム、デイズ ハイウェイスター等、競合メーカーの特徴車は全てエアロ系ですが、eKクロスだけがSUVテイストをもったクロスオーバー系です。スズキ ハスラーや今年7月頃発売されるダイハツ タフトなどのSUV系に近い位置づけになっています。

商品イメージマップ(CRC推測)

eKクロスの狙い まとめ

・eKクロスは商品特徴の方向を、これまでのエアロ系からクロスオーバー系に変更し、競合メーカーの特徴車と差別化を図ると共に、軽乗用車でも人気が高まりつつあるSUVに近い商品ポジションで新たな需要の開拓を狙っていると思われる。
・また市場背景にある軽乗用車のファーストカー化に伴う「上質感」や「安全性」に対するニーズに対応している。
・今後、eKクロスと同様にクロスオーバー系のスーパーハイトワゴン「eKクロススペース」を今年3月に発売し、さらに軽乗用車のラインナップ強化を図っていく模様。

eKクロススペース2020年3月に発売されるeKクロススペース

3、eKクロスの商品概要

(1)エクステリアデザイン

デザインコンセプトは「THE CUTE BEAST(キュート・ビースト)」とし、力強いフロントデザインやサイドシルガーニッシュとホイールアーチをブラックにすること等でSUVらしさを表現しています。
eKクロス外観

ボディカラーはモノトーンが6色、ツートンが5色で計11色を展開。更に用品のガーニッシュ3色の組み合わせにより、33通りのカラーバリエーションが選べます。

ガーニッシュ
ガーニッシュ3色

(2)インテリアデザインと室内空間

インテリアは、黒を基調にブルーのアクセントが入った、スポーティでスタイリッシュなデザインとなっています。
インテリアデザイン

また、長いホイールベース(2,495mm)により室内は広く、特に後席は足元のスペースと平らな床面により、広々とした居住空間を確保しています。
広々とした居住空間

(3)エンジン展開

NAとターボの2種類を展開。ハイブリッドシステムを搭載し、トルクフルな走りと燃費向上を図っています。また車速が約13km/h以下でエンジンを停止させるオートストップ&ゴーを採用してます。
エンジン諸元表

(4)特徴装備

①MI-PILOT(マイパイロット)
高速道路において、車両側がアクセル、ブレーキ、ステアリング操作を支援する事で、ドライバーのストレスや疲労を軽減し、ロングドライブをサポートします。
MI-PILOTイメージ

②デジタルルームミラー
後部座席人やラッゲージルームの荷物で視界が遮られたり、夜間や天候によりしっかり後方が確認できない場合も、液晶モニター搭載したルームミラーで確認する事が出来ます。
デジタルルームミラーイメージ

③マルチアラウンドモニター(移動物検知機能付き)
ルームミラー内にあるモニターに真上から見下ろしているような映像を表示して、車両後方の人や障害物の有無を確認できます。また、移動物検知機能によって車両の周囲を歩いている人や走っている自転車を検知しモニターの表示と警報で注意を促します。
マルチアラウンドモニターイメージ

④9インチナビゲーション
大画面により見やすく、操作性・利便性が向上。また、メーカーオプションのマルチアラウンドモニターを装着すれば、映像を大画面で確認できます。 
9インチナビゲーション

(5)安全装備

三菱e-Assistと称した先進安全装備を装着。また6エアバック、グリップコントロール、アクティブスタビリティコントロール等を搭載。

e-Assist
①衝突被害軽減ブレーキシステム
前方車両と歩行者を検知。衝突の危険があると判断したときに注意を促し、ブレーキ制御で衝突回避・衝突被害の軽減をアシスト。 
e-Assist衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM

②踏み間違い防止アシスト
前進時・後退時、シフトやペダルの操作ミスによる急発進を抑制。 
e-Assist踏み間違い防止アシスト

③車線逸脱警報システム&車線逸脱防止支援機能
前方の車線位置を常に監視。車線を外れそうになると、警報で注意喚起。また車線内に戻す方向に制御力を短時間発生させ、車両を車線内に戻す操作をアシスト。
e-Assist車線逸脱警報システム

④オートマチックハイビーム
先行車や対向車、道路周辺の明るさを検知し、ハイビームとロービームを自動的に切替。
e-Assistオートマチックハイビーム

(6)グレードと価格

グレードと価格

(7)主要諸元

主要諸元表

まとめ

以上、三菱eKクロスの試乗前リサーチによる考察でした。
次投稿でいよいよ試乗をした上でのインプレッションをお伝えしていきます。記事は下記より。
【eKクロス試乗インプレッション】上質感や装備の機能性、走行性などを徹底調査

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