注目のブランニュー軽SUV「 Tough & Almighty Fun Tool、タフト」
CRC(コンシュマーズリサーチ)マガジンの企画、NEW VEHICLE LABO。注目される新型車の魅力を自動車ジャーナリスト栗原信一氏と共にCRC独自の視点で、市場動向を始め商品概要を日中の状態だけでなく夜間の状態も含め、写真はもとより具体的な使用を行った状況を動画で伝えるという、今までにない方法で多面的に徹底研究し、読者の皆様にクルマの魅力をもっと伝えたいと思っています。
第三弾は、ダイハツ タフトです。
栗原信一略歴
1972年三菱自動車に入社。商品企画部にて商品戦略・企画に従事。3代目ギャランの企画担当と8代目ギャランの商品企画を担当。その後、モータースポーツと初代アウトランダー、ランサーエボリューションX、デリカD:5の開発の指揮を執る。三菱自動車ノースアメリカの社長も経験。日産自動車と三菱自動車における合弁会社NMKV副社長を経て2014年退社。
タフトの試乗インプレッションの前に、軽自動車の市場動向を分析し、何故この様な商品が生まれたのか、考察したいと思います。それを踏まえインプレッションを次回お届けします。商品が企画された市場背景や狙いを知りクルマに触れることで、クルマがもっと愉しくなることでしょう。
注)記載されてます内容は、あくまでCRC独自の調査や視点による推測で、メーカーに取材して得たものではありませんので、ご承知おき下さい。
- デスクリサーチ編 目次
- 1、軽乗用車の市場動向
- 2、タフトの狙い
- 3、タフトの商品概要
- 4、まとめ
1、軽乗用車の市場動向
軽乗用車のボディタイプは、前々回のeKクロスのデスクリサーチ編でご説明した通り、大きく4つに分類できます。
<軽乗用車の分類(ボディタイプ)>
1、スーパーハイトワゴン
・全高が1700mm以上ある為、背が高く室内も広い。後席のドアはスライド式。
・主な車種はN-BOX、タント、スペーシア、ルークス、eKスペースなど。
・フロントデザイン変更を中心とした差別化により、標準車と特徴車(カスタム)の展開がある。
2、ハイトワゴン
・全高が1600mm超ありスーパーハイトワゴンよりは背が低いものの、十分な室内広さがある。後席ドアは普通のヒンジタイプ。
・主な車種はワゴンR、ムーヴ、デイズ、eKワゴンなど。
・スーパーハイトワゴン同様に、標準車と特徴車の展開がある。
3、セダン
・全高が1500mm程度で小さく、価格も安い。
・主な車種はアルト、ミライースなど。
4、SUV/CUV
・ジムニーやかつてのパジェロミニの様に、2ドアタイプのFRベース4WDで、大径タイヤを装着し悪路走破性が高いオフロードタイプと、ハイトワゴンをベースにSUVテイストを付加したCUV(クロスオーバー)タイプがある。
市場動向も前回ハスラーのディスクリサーチ編でご説明した通り、現在軽乗用車のSUV/CUVタイプの市場規模は小さいですが、登録車ではSUV/CUVタイプが増加傾向にあり、軽乗用車市場に於いても今後増加が期待されます。
2、タフトの狙い
タフト投入の背景には、キャスト アクティバの存在があります。ダイハツは2015年9月にキャストを発売し、グリルやバンパー等の部分的なデザイン変更により、「スタイル」「アクティバ」「スポーツ」と称した3つのバリエーションを展開しました。
その内アクティバは、スズキハスラーと同様にベース車(ムーヴ)に対しタイヤ外径のUPやサスペンションの一部変更により最低地上高を上げ、SUV(CUV)テイストに仕立てました。
しかしハスラーは、外観に加え内装まで全てを専用デザインにして、ベース車(ワゴンR)との差異化を図り軽SUV(CUV)市場を開拓しました。ハスラーの販売台数は、キャストの3タイプ合計を上回っています。
タフトは、この様なキャスト アクティバの振返りや軽SUV市場動向の分析、及び販売好調なハスラーの徹底研究により、キャストのバリエーションではなく、ハスラーと同様に外観/内装を専用デザインにしたSUV(CUV)テイストのブランニューモデルとして投入されました。
なお、これに伴いキャスト アクティバは、販売終了となっています。
タフトのコンセプトは、アクティブ志向層をターゲットに、“Tough & Almighty Fun Tool”「日常からレジャーシーンまで大活躍、毎日を楽しくしてくれる頼れる相棒」との事です。タイヤ外径と最低地上高で商品ポジションを見ると、ハスラーよりもタイヤ外径が大きく、最低地上高も高くし、オフロード走破性を向上させています。
3、タフトの商品概要
(1)エクステリアデザイン
エクステリアデザインは、「カッコ良さと使いやすさを両立したスクエアなボディ」、「車両のワイド感を強調するスクエアなランプ」等とし、水平基調のデザイン、太いピラー、大径タイヤ、艶消し黒色ホイールアーチ等でタフさや力強さ表現しています。
(2)インテリアデザインと室内空間
インテリアデザインは、「黒を基調にした高い質感を味わえるデザインと、ドライバーを中心に配置した機能部品で使い勝手の良さも両立」との事です。
またオレンジメタリックの加飾により、ワクワク感やアクティブさを表現しています。
室内は前席上にスカイフィールトップ(シェ―ド付き固定式ガラスルーフ)を全グレードに標準装備し、開放感と広い視界を実現しています。
荷室は、後席背面やラゲッジフロアに汚れをふき取りやすい素材を採用。またドアパネルとの隙間を無くし小物を落としにくい工夫があります。
(3)エンジン展開
NAとターボの2種類を展開。ターボにはD-CVT*を採用。またターボ車と上級グレードには、D assist(パワーモード)を搭載し、機敏な加速が可能になります。
*:ベルトに加え、伝達効率の高いギヤを組み込み燃費/加速感/静粛性を向上させた新CVT。
(4)特徴装備
①キーフリーシステム&ウエルカムドアロック解除
・ボタンで施錠/解錠(キーフリーシステム)
電子カードキーを携帯していれば、フロントドアハンドルのリクエストスイッチに触れるだけでドアロックを施錠・解錠できます。
・クルマに近づくと解錠(ウエルカムドアロック解除)
電子カードキーを携帯して車両周辺の検知エリアに入ると、ドアロックが解錠され、そのままスムーズに乗り込むことができます。
②スマートパノラマパーキングアシスト
駐車時にカメラで駐車枠の白線を検知し、ナビ画面の表示や音声の案内通りにアクセル、ブレーキ操作するだけで、ハンドルが自動で動いて駐車ができます。
(5)安全装備
スマートアシストと称した先進安全装備を展開してます。機能は以下の通り。
・衝突回避支援ブレーキ機能
・衝突警報機能
・ブレーキ制御付誤発進抑制機能
・車線逸脱抑制制御機能
・車線逸脱警報機能
・路側逸脱警報機能
・ふらつき警報
・先行車発進お知らせ機能
・標識認識機能
・オートハイビーム
・アダプティブドライビングビーム
(ハイビームで走行中に先行車や対向車を検知した時、部分的に自動で遮光)
・サイドビューランプ
(ハンドルを切った方向やターンランプを出した方向を明るく照らす。また後退時には左右のランプが点灯)
・全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール
・レーンキープコントロール
・パノラマモニター
(クルマを真上から見ているような映像をディスプレイに表示)
・スマートパノラマパーキングアシスト
(駐車時にカメラで駐車枠の白線を検知し、音声とモニターガイドに加えてハンドル操作をアシストし、簡単に駐車できるシステム)
・コーナーセンサー
(6)グレードと価格
(7)主要諸元
4、まとめ
以上、ダイハツ タフトの試乗前のリサーチによる考察でした。タフトはSUVテイストを強く表現した注目のブランニューモデルです。次投稿でいよいよ試乗をした上でその魅力を確認し、インプレッションをお伝えしますのでご期待下さい。
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