日本の自動車メーカー、2020年3月期(2019年度)決算状況
タグ: スズキ, スバル, トヨタ, ホンダ, マツダ, 三菱, 日産, 決算
1、日本の自動車メーカー7社比較
日本の自動車メーカー各社の2020年3月期(2019年度)決算が出揃いましたので、纏めてみました。
やはり、売上高、営業利益、当期純利益共にトヨタがダントツです。
営業利益率は、トヨタ、スズキ、スバルが6%を超えています。日産、三菱は厳しい状況ですが、マツダや四輪だけで見たらホンダも2%以下の状況です。
2、マツダ、スバル、三菱3社比較
全社で比較するとトヨタが突出していることが分かりますが、他が分かり難いので、以下会社規模が近いマツダ、スバル、三菱の三社で比較してみました。
スバルは、売上高、営業利益、営業利益率ともに前期より伸ばしており、強さが伺えます。(現在の報道は、新型コロナの影響で業績悪化が深刻との論調ですので、スバルの業績好調はニュースになり難いですね)
次に3社の営業利益増減要因を整理してみました。
マツダは、ユーロと豪ドル安を中心とした為替の悪化が大きく、コスト低減や台数/MIXの好転ではカバーしきれず減益となりました。
スバルは、ドル安による減益があったものの、台数/MIXの好転により増益。特に米国でのアセント(Upper-Mid SUV)の貢献が大きいと思われます。
三菱は、販売台数の減少及び為替の悪化などにより大幅減益の状況です。
3社の仕向け地別販売台数は、マツダはグローバルに幅広く売ってますが、各仕向け地共に減少しています。スバルは北米が7割強を占め、北米の増加により全体も増加しています。三菱はアセアン中心に欧州も多いですが、マツダと同様各仕向け地共に減少しています。
マツダは販売台数が落ちても増益となってますから、MIXが好転が予想されます。一方三菱は販売台数の減少がそのまま減益に繋がっています。
3、まとめ
・今回の決算は、新型コロナの影響を2月ごろから受けたものの、体力のあるメーカーはまずまずの結果だったのではないでしょうか。トヨタは別格として、スズキ、スバルもしっかりとした数字を出しています。一方日産、三菱はコロナショック前からの販売台数落ち込み、株価下落による減損損失計上等で厳しい数字となっています。
今後日産は新車攻勢により挽回が予想されますが、三菱はアセアンを中心とした拡販と共にPHEVの展開拡大等による付加価値付けよりMIXを好転させることも大事かと思われます。
・2021年3月期の業績予想はトヨタが8割減(営業利益)、他は見送りの状況です。トヨタは恐らく堅めの数字とは思いますが、自動車メーカーにとっても非常に厳しい1年になりそうです。とはいえ現在中国の販売台数は前年同月比を上回って来てますし、米国でも減少率が減って来ています。そして世界中で数百兆円のお金が注入される訳ですから、早くコロナが収束して、下期はV字回復を期待したいです。そして弊社も業界に携わるものとして、需要を喚起する様な魅力ある商品やサービスの提供に貢献していきたいと思っています。
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